top of page
執筆者の写真大和商業研究所

新年のご挨拶~石門心学精神で融和の道へ~

(『令和利他新報』への寄稿)

令和3年の年頭に当り、新年のご祝詞を申し上げます。

 皆様におかれましては、新たな抱負を胸に、スタートを切られたことと存じます。

私も同志と共に、本年も石田梅岩(石門心学)精神を以って、「解行一如、知行合一」の達成を念じています。

当紙発刊の環境社会新聞社は一昨年より『令和利他新報』と改名し、利他の心を優先した生き方を推奨されています。堤九十生社主の主宰する「結びの会」の精神でもある利他の実践に近付くよう、切磋琢磨して参ります。

  昨年、菅義偉首相は所信表明演説で、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにすると宣言しました。

 また今年元旦の日本経済新聞のトップ記事は「第4の革命 カーボンゼロ」であり、我が国も本格的に環境問題に挑戦する機運が満ちてきたと慶賀するところです。

 昨今の全地球規模での自然災害の多さ・悲惨さは目を覆うばかりです。私達は世界中の人々と一致協力して温室効果ガスの削減に取組まねばなりません。産業分野においては技術革新により、民間・家庭分野では身の回りで可能な限りを尽くし、日本が率先して他国のお手本になりたいものです。

 古来から我が国は聖徳太子の精神をもって、神道を心柱に他国の宗教・哲学・先進技術を積極的に受け入れ、平和的かつ科学的な取り組みを得手とする国民であります。

 その性の善なることにより極東の島国が、列強にもまれながらも明治維新を起こし、いち早く民主的資本主義国に名乗りを上げ、敗戦による廃墟からも早期に復活し、世界の発展途上国、新興国に勇気を与え続けました。

 今般のパンデミック危機下においても、2050年に向けてカーボンゼロを目標に改革の道を歩むことは、幾多の先達が篝火を掲げて人々を導いたことと近似しています。

 本年は聖徳太子1400年御遠忌、渋沢栄一没後90年に当ります。これら偉人に倣い、危機を乗り超え革新に挑みたいものです。

 今、世界は分断の方向に座標軸がぶれています。しかし対立者を敵とみなすのではなく、地球環境を守る同志として歩もうではありませんか。

 江戸時代の商人道の祖、石田梅岩は「神儒仏老荘は心を磨く研ぎ草である」と語っています。今に在世であれば、キリスト教もイスラム教も、その他聖人の訓えも、みな自身の掌に有りと仰せられるでしょう。

 梅岩は自らの商人の体験を基に、勤勉・正直や進取の気概による経済活動により蓄えられた金銭を程よく用いて経済を循環させることに、経営は永続的に栄えるものであると門弟に教えました。「先も立ち我も立つ」などの梅岩語録を家訓とした人々は石門心学として後世に伝え、今日もその教えを実学として受け継ぐ企業・個人は多数にのぼります。

 梅岩の目指した善の好循環が、世界の争いを融和し、経済の繁栄とクリーンな地球環境の形成に寄与することを信念として、本年も活動して参ります。

どうぞよろしくお願いいたします。



閲覧数:33回0件のコメント

Comments


bottom of page